2015/9/12から11/19の予測(9/18発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が著しく発達しています。四国・足摺岬、和歌山・潮岬で黒潮が岸に近づいています。
黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続するでしょう。九州東岸から和歌山・潮岬までは小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです。房総半島で黒潮はしだいに離岸しますが、11月に再び接岸すると予測しています。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した9月12日と9月18日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が著しく発達しています

九州南東に離岸傾向h(1)が存在しますが(図1)、さらなる発達はしていないようです(図2)。

黒潮の本流から分岐する支流(離岸傾向f)が下流に移動するにつれて、四国・室戸岬で黒潮が離岸し、足摺岬で岸に近づいて(接岸傾向g)います(図1,2)。四国南岸での黒潮の動きは、今週号の解説も参照してください。和歌山・潮岬では接岸しています(接岸傾向e, 図1,2)。

相模湾に南から黒潮が突っ込むような(※2)流れになっていましたが(図1,接岸傾向a)、しだいに流れが東に離れつつあります(図2)。

 

※1 今週号から一連の接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットa,b,c,d,,,で図示しています。赤字a,c,,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で、同じアルファベット、例えば接岸傾向gが、上流から下流に移動していることをしめしています。離岸傾向hは先週号までは小蛇行3と呼んでいましたが、伊豆諸島付近の離岸流路を接岸流路に変えるような大きな発達は予測されてないことから、今週号から呼び方を変えました。

※2 この流れのため、相模湾では8月から急潮がたびたび発生しています。参照:神奈川県水産技術センターの急潮情報

Fig1

図1: 9月12日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 9月18日の予測値。

 

予測

図3と図4は9月30日と11月19日の予測です。

八丈島の南を流れる離岸流路は当面安定して継続するでしょう(図3,4)。

九州東岸から和歌山・潮岬までは、一連の接岸・離岸傾向の移動により、小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです(図3,4)。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。

房総半島では、離岸傾向bをきっかけに黒潮が離岸しますが(図3)、11月に再び接岸する(接岸傾向g)という予測になっています(図4)。

図5は9月12日から11月19日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 9月30日の予測値。

 

Fig4

図4: 11月19日の予測値。

 


図5: 9月12日から11月19日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。