4月30日から7月7日の予測(5月6日発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が大きく発達しています。黒潮が潮岬で接岸しています。房総半島で黒潮が離岸しています。
黒潮流路は、5月中旬頃から八丈島の北を流れる接岸流路傾向に推移していくと予測しています。沿岸では、小刻みな離岸と接岸の繰り返しが起こるようになりそうです。7月に黒潮が再び離岸流路になる可能性があります。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した4月30日と5月6日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の遠く南を流れ離岸流路が大きく発達しています(図1,2)。

房総半島では、接岸傾向g(※1)により接岸していましたが(図1)、離岸傾向h,jにより離岸しています(図2)。

黒潮は、足摺岬では、やや離岸から接岸(図1離岸傾向pから図2接岸傾向q)、室戸岬では、接岸からやや離岸((図1接岸傾向oから図2離岸傾向p)方向に動いています。潮岬付近では接岸しています(図2接岸傾向o)

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットg,h,,で図示しています。赤字g,i,,が接岸傾向で、青字h,j,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば接岸傾向kが、上流から下流に移動していることをしめしています。

Fig1

図1: 4月30日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 5月6日の予測値。


予測

図3と図4は5月20日と7月7日の予測です。

八丈島の南を流れる黒潮の離岸流路は、接岸傾向mが八丈島に達する5月中旬頃から減衰し(図3)、八丈島の北を流れる接岸流路傾向に推移していくと予測しています

黒潮上では、離岸傾向と接岸傾向が小刻みなものになり、沿岸での離岸と接岸は小さめになりそうですが(図3)、6月頃から再び大きくなってくるかもしれません(図4)。その影響で黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が7月に再び発達する可能性があります(図4)。

図5は4月30日から7月7日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 5月20日の予測値。

Fig4

図4: 7月7日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。


図5: 4月30日から7月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。