NHKワイルドライフ「知られざる伊豆諸島 黒潮・世界最大級の海流が命をつなぐ」(12/6追記あり)

以下の番組にインタビュー取材協力しました。黒潮とその変動について解説しました。ぜひご覧ください。

番組名 NHKワイルドライフ「知られざる伊豆諸島 黒潮・世界最大級の海流が命をつなぐ」
放送日時 2016年12月5日(月)20:00~20:59 (再放送 12月12日(月)午前8:00~)
放送局 NHK BSプレミアム
内容 壮大な大自然の絶景、躍動する命の世界を、豊かな映像で捉えた骨太の自然番組です。今回は、太平洋に浮かぶ伊豆諸島の海を紹介します。
その南部の島々、八丈島、御蔵島、三宅島などに多大な影響を与えているのは世界最大級の海流・黒潮だ。温かい海水が温暖な気候をもたらし、多様な生きものを育む一方、しばしば環境を激変させる。大きく蛇行することで冷たい海水を呼び込むのだ。黒潮の巨大な流れの中で伊豆諸島の生きものたちは、どのように命を繋いできたのか?
関連サイト 番組ホームページ
制作の日本水中映像
再々放送 2018/8/13, 2018/8/20

 


過去の取材協力一覧はこちら


2016/12/6 追記

番組で取り上げられていたように、黒潮は時期によって流れる位置(流路)を大きく変えます(2015/02/06号「黒潮の位置はどのように変化するの?」)。黒潮が世界の海流で他の類を見ないような流路の変化をするのは、伊豆諸島の海底地形が関わっていると考えられています(2015/04/10号「なぜ黒潮には異なる流路が存在するの?」)。流路が変化することで、黒潮は生態系にも影響を与えます(2015/05/01号「海流と生態系の関係は?」2015/05/08号「続・海流と生態系の関係は?」)。

例として今年の流路の変化を見てみましょう。図1は、JCOPE2で再現した今年3月1日、4月30日、8月31日の流れ(矢印)と水温(色)です。流れが速く(矢印が長い)、温度が高い(明るい色)のが黒潮です。3月1日(図1上段)頃は本州近くを流れる接岸流路でした。伊豆諸島は黒潮による暖水に包まれていました。4月30日(図1中段)になると黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路に変化しました。一転して伊豆諸島は冷たい水(冷水塊)で囲まれています。8月(図1下段)には再び接岸流路に戻り、伊豆諸島の水温は高くなっています。図2は3月1日から8月31日までの流れと水温をアニメーションにしたものです。伊豆諸島周辺で黒潮の流路が大きく変化することにご注目ください。

番組は12月12日に再放送がありますので、12月5日に見逃した方はぜひご覧ください。

Fig1

図1: 2016年3月1日から8月31日までの海流と水温のアニメーション。矢印は海面での海流流速(メートル毎秒)の向きと大きさで、右下に1メートル毎秒の海流の大きさを例示してあります。速さが0.2メートル毎秒より弱い流れは省略しました。色が海洋表層の温度(°C)です。海流の影響を良く見るために、大気の影響を受けやすい海面だけでなく、海面から深さ200mまでの平均水温です。

 


図2: 海流と水温の2016年3月1日から8月31日のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。