2016年12月12日から2017年2月16日の予測(12月16日発表)

黒潮は八丈島付近を流れています。四国・足摺岬と紀伊半島・潮岬で接岸、四国・室戸岬でやや離岸しています。房総半島で黒潮が一部近づいています。黒潮流路はこれから接岸流路に変化した後、長期的には再び離岸流路になりそうです。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2Mは週2回の予測を行っています(解説参照)。ここでは2016年12月12日から2017年2月16日の予測を紹介します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した12月12日と12月16日の黒潮の状態です。

八丈島付近を南北に移動している黒潮は、接岸傾向g(※1)の接近により小さな北上をした後(図1)、離岸傾向hのため小さな南下しようとしています(図2)。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬と潮岬で接岸(接岸傾向mk)、室戸岬やや離岸(離岸傾向l)になっています(図2)。接岸傾向iで東海沿岸では暖水が入りやすくなっています(図2)。

房総半島では、全体としては離岸していますが、接岸傾向eの接近により、黒潮の一部が近づいています(図2)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した12月12日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 12月16日の予測値。

 


予測

図3・図4・図5は12月23日・12月30日・2017年2月16日の予測です。

黒潮は、接岸傾向・離岸傾向の通過にともない、八丈島付近を南北に移動しそうです。離岸傾向hによる小さな南下(図2)の後は、接岸傾向iの発達で八丈島の北を流れる接岸流路になる(図3,4)と予測しています。長期的には再び離岸流路が発達する可能性があります(図5)。

房総半島沿岸では、接岸傾向eの下流への移動の後は大きく離岸しそうです(図3,4)。

九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです(図3,4)。

図6は12月12日から2017年2月16日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 12月23日の予測値。

 

Fig4

図4: 12月30日の予測値。

 

Fig5

図5: 2017年2月16日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 12月12日から2017年2月16日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。


※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字e,gが接岸傾向で、青字f,hが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通ですが改めて記号を振り直した部分もあります)、同じアルファベット、例えば離岸傾向hが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。