new2026年8月7日までの黒潮「長期」予測(2026年6月10日発表)

黒潮は八丈島の北を通る接岸流路が続くと予測していますが、離岸流路になる可能性もあります。小蛇行の移動が注目点です。
    • JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
    • JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)

を行っています。

ここでは8月7日までのJCOPE3Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮の蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2026年6月6日の現況の推定、図2・3は7月7日、8月7日の予測です。

黒潮は八丈島の北を流れています(A 図1, 図6も参照)。

黒潮は、八丈島の北を流れる接岸流路が続くと予測しています(A 図2~3) 。(ただし下のアンサンブル予測で見るように、八丈島の南を流れる離岸流路になる可能性も高まっています。)

今後の予測のもう一つの注目点は九州東方の小蛇行(図1 C)です。これが、その南の時計回り渦Bとペアになって成長した場合、黒潮の蛇行が大きくなるきっかけになる可能性があります。下流に移動しますが、今のところ大蛇行になるほど大きくはならないだろうと予測しています(図2〜3)。今後の動向が注目されます。

図4は、2026年6月6日から8月7日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1
図1: 2026年6月6日の推定。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いという、おおまかな関係があります。

 

Fig2
図2: 図1に同じ。ただし2026年7月7日の予測。

 

図3: 図1に同じ。ただし2026年8月7日の予測。

 


図4: 2026年6月6日から8月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

観測で見る黒潮流路

黒潮大蛇行の特徴の一つは、黒潮が潮岬から離れていることです。黒潮が潮岬から離れているかを観測で見る良い方法として、串本と浦神の潮位差を見るという方法が知られています(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。黒潮が紀伊半島に近づくと潮位差は大きくなり、黒潮が紀伊半島から離れると潮位差は小さくなります。現在、潮位差が比較的大きいことは、黒潮が接岸していることを示唆しています。予測通りであれば、このまま高い値が続きます。ただし、小蛇行Cが通過する時は(図3参照)、値が一時的に下がる可能性があります。

八丈島の南を黒潮が通ると、八丈島の潮位が下がることが知られています(「黒潮が八丈島の南を流れているのをどうやって観測で確認するの?」参照)。直近では、値が上昇した後、高い値でとどまっており、八丈島の北を流れていることがわかります。予測が正しければ、当面は高い値が続く見込みです。

図5: [上]串本・浦神の潮位差(日平均)の2016年1月1日以降の時系列。データは気象庁から入手した。 [下] 2025年以降を拡大。横赤線は黒潮大蛇行の期間。
Fig5
図6: 東京大学大気海洋研究所「潮位データを用いた黒潮モニタリング」「各潮位データの図示」から、「期間: 2026年までの 5年間」・「八丈島」でグラフ作成。単位はセンチメートル。横赤線は黒潮大蛇行の期間。

参考: アンサンブル予測

JCOPEでは、上記の予測の他に、予測初期の条件を変えて予測値がどれくらいの幅で変わるかという予測実験も行っています(JCOPE3Fによるアンサンブル予測)。

下の参考図は2か月先の黒潮の予測です。全24通りの予測を実施しています。黒潮が八丈島()の北を流れる流路の予想もあれば、南を流れるという予測もあります。先週よりも八丈島の南を流れる予測が増えており、離岸流路になる可能性が増しています。

図1~3で注目している小蛇行Cについては、ほとんど発達しない予測(case 20など)から、大きく発達するケース(case 12など)と様々で、不確実さが大きいです。

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参考図: JCOPE3Fによるアンサンブル予測。2026年8月7日の全24予測。色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。

 



JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。