最近の水温の状況 (2019/3)

先月から今月にかけての日本水温の状況を見てみます。

図1は、2月14日と3月22日の海面水温の平年との差を見たものです[1]。平年より高い場所が赤っぽい色、低い場所では青っぽい色になっています。図2は、同じく2月14日と3月22日の、水深100mの図です。水深100mでも海面と同じ変化が見られれば、水温の平年との差が天気だけでなく海流の影響を受けている可能性が高くなります。

黒潮が大蛇行しており(黒潮長期予測参照)、黒潮が離岸しているところでは水温が低く(A)、接岸しているとこでは高くなっています(B)。

親潮が東北北部沿岸を南下しており水温が冷たくなっています(C)。一方、その東では黒潮からの水が北上しており水温が非常に高くなっています(D)。東西で極端に違う状況です(親潮ウォッチ参照)。

沖縄周辺では高い海面水温が続いています(E)[2]

水面下にまで暖水がある影響で(図2)[3]、日本海南部の温度が高めで続いています(F)。日本海北部は平年より冷たくなりました(G)。

今後の日本周辺の水温については、姉妹サイトの「季節ウォッチ」も参考にしてください。

Fig1

図1: 海面温度の平年との差(℃)。[上段]2019年2月14日。[下段] 2019年3月22日。

 

Fig2

図2: 水深100mの水温の平年との差(℃)。[上段]2019年2月14日。[下段] 2019年3月22日。

  1. [1]この記事では、今年の値はJCOPE2Mを使っています。平年の値はJCOPE2M再解析の1993~2016年の平均を使っています。
  2. [2]沖縄気象台によれば今冬の沖縄周辺海域の海面水温は過去最高でした。
    冬(2018 年 12 月~2019 年2月)の沖縄地方の平均気温と沖縄周辺海域の海面水温が最も高くなりました」(沖縄気象台 2019/03/01 pdf)
  3. [3]気象庁による対馬暖流の勢力(日本海における深さ 100m の水温が 10℃以上の領域の面積)は平年よりかなり高くなっています。