更新日:2021/7/1

新青丸航海観測に参加して

坂本 律(新潟大学自然科学研究科 大気海洋システム研究室 博士前期課程2年)

2021年5月24日から6月1日に行われた「新青丸」(JAMSTEC学術研究船、図1)の航海観測に参加しました。この観測の目的は、数年持続している黒潮大蛇行が遠州灘沿岸域に与える影響や、亜熱帯モード水の形成・時間発展を明らかにすることで、主に沿岸域と再循環域で集中的なCTD(図2)・XCTD・ラジオゾンデ観測を行いました。

普段使っているデータがどのように取得(観測)され、その時の大気や海洋の状況が、実際にどうなっているのかを自分の目で確かめたいという思いから、今回の航海に参加しました。乗船経験や海洋の知識が少なく、足手まといにならないか不安もありましたが、0から丁寧に観測方法を教えていただき、無事に観測を行うことができました。特に印象に残っているのはラジオゾンデ観測で、その時の気象状況に応じて試行錯誤しながら放球を行い、データが取得できた時の達成感と安堵感は今でも覚えています。また、再循環の中心位置を、XCTDの観測値を見ながらリアルタイムで探す際には、データ取得の最前線にいることを強く実感しました。航海観測の中でもう1つ欠かせなかったのが他大学や研究所の方々との交流です。コロナ禍でなかなか集まって話せない状況の中、船内でたくさんの人と直接話すことができたのはとても良い機会でした。

最後に、今回の航海で学んだ観測方法やデータの見方、乗船して感じたこと、他の方々との交流は非常に貴重な経験になりました。自然を自分の目で見て、自分の手でデータを取れる観測は本当に楽しいです。

図1

図2

新青丸から見た夕日