高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(10日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは来年1月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した12月25日・12月29日・来年1月2日の黒潮の状態です(1日平均)。今週から日平均水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。詳しくは「海洋速報」黒潮流軸とモデル予測の比較の解説をご覧ください。
黒潮大蛇行[1]から渦が大きくちぎれ、いったん大蛇行が終わったと言える状況でしたが、小蛇行(G)が東に移動するにつれて、再び離岸しています(図1)。大蛇行が再開していると言える状況です(長期予測も参照)。
GからEへと北に流れた黒潮は、岸近くを流れています(E,F、図1)。今後やや離れると予測しています(図2~3)。
四国の室戸岬(C)と足摺岬(D)では黒潮が大きく離岸していますが、黒潮から分岐して伸びた暖水が足摺岬の南から近づいています(図1)。この暖水は弱まると予測しています。
先週は黒潮が紀伊半島・潮岬(B)に近づくと予測していましたが、その予測ははずれ、大きな離岸が続いています(図1)。大きな離岸は続くと予測しています(図2~3)。
図4は12月24日午前9時から来年1月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 12月24日午前9時から2021年1月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。