2022年6月17日までの黒潮「長期」予測(2022年4月13日発表)

黒潮大蛇行が始まって約4年9か月目に入っており、過去最長期間になっています。大蛇行から渦がちぎれたことで典型的な「ひ」の字型の流路が崩れていましたが、再び「ひ」の字型の流路が回復しています。黒潮大蛇行はまだ継続すると予測しています。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは6月17日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2022年4月8日の状態の推測値、図2・3は5月17日・6月17日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2月に黒潮大蛇行から渦(A)がちぎれて黒潮大蛇行の典型的な「ひ」の字型の流路が崩れていましたが(最近の黒潮大蛇行と5月12日までの「長期」予測)、再び「ひ」の字型の流路が回復しています。

渦がちぎれた後の大蛇行の残り(B)は八丈島(赤点)の東に消えていきます(図1~2)。2月にちぎれた渦(A)は九州南東で黒潮にくっつき吸収されると予測されています(図2,3)。大蛇行はまだ継続すると予測しています。

2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年9か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

図4は、2022年4月8日から6月17日までの予測をアニメーションにしたものです。

fig1

図1: 2022年4月8日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし5月17日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし6月17日の予測値。

 


図4: 2022年4月8日から6月17日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。