2022年5月1日までの黒潮「短期」予測 (2022年4月13日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは5月1日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2022年4月11日・4月21日・5月1日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

伊豆付近でやや離岸が大きい部分(B)は次第に東にぬけていきます。。

紀伊半島東側から静岡県にかけて、暖水が東に移動しながら近づくと予測しています(C)。

室戸岬では東から暖水が近づく予測になっています(E)。四国・足摺岬では黒潮が大きく離岸していますが、まず室戸岬を経由して東から(E)、次に南から暖水が近づく(D)と予測しています。

九州南東で黒潮大蛇行からちぎれた渦が吸収されるため(長期予測を参照)、黒潮の動きが大きくなります(F)。

図4は4月11日午前9時から5月1日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2022年4月11日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし4月21日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし5月1日午前9時の予測値。

 


図4: 2022年4月11日午前9時から5月1日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。




JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。