高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは5月22日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2022年5月2日・5月12日・5月22日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
伊豆付近でやや離岸が大きい部分(B)は次第に東にぬけていきます。
紀伊半島東側から静岡県にかけて、暖水が東に移動しながら近づくと予測しています(C)。
室戸岬では時計回り流れで暖水渦が近づいていると推定しています(E)。四国・足摺岬では黒潮が大きく離岸していますが、黒潮が近づく(D)と予測しています。
九州南東で黒潮大蛇行からちぎれた渦が吸収されるたため(長期予測を参照)、黒潮が離岸しています(F)。
図4は5月2日午前9時から5月22日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2022年5月2日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2022年5月2日午前9時から5月22日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。