2022年7月7日までの黒潮「長期」予測(2022年5月4日発表)

黒潮大蛇行が始まって約4年10か月目に入っており、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行はまだ継続すると予測しています。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは7月7日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2022年4月28日の状態の推測値、図2・3は6月7日・7月7日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。大蛇行はまだ継続すると予測しています(C)。大蛇行から渦(C’)がちぎれると予測されてますが、大蛇行を終わらせるほどの規模ではありません。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年10か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

2月にちぎれた渦(A 最近の黒潮大蛇行と5月12日までの「長期」予測参照)は九州南東で黒潮にくっつ居ており、吸収されていくと予測されています(図1~3)。

房総半島では、黒潮が比較的低い緯度で東に進むようになり、離岸が拡大すると予測しています(B)。

図4は、2022年4月28日から7月7日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2022年4月28日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし6月7日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし7月7日の予測値。

 


図4: 2022年4月28日から7月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。