黒潮大蛇行が始まって約4年10か月目に入っており、過去最長期間になっています。渦がちぎれやすい不安定だと予測しており、今後が注目されます。 |
高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは7月19日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2022年5月10日の状態の推測値、図2・3は6月19日・7月19日の予測です。
黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年10か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。
大蛇行から渦(C’)が大きくちぎれると予測されています(図2,3)。この予測通り進むと、黒潮大蛇行が大きく減衰することになります。ただし、長期予測モデルは渦のちぎれを過大に予測する場合があり、この通り進むかはまだ様子を見る必要があります。短期予測モデルではこれほど大きな渦のちぎれは予測されていません。
2月にちぎれた渦(A 最近の黒潮大蛇行と5月12日までの「長期」予測参照)は九州南東で黒潮にくっついています。上記の再びちぎれると予測されている渦の一部(C’’)がさらにくっつく可能性があります。
房総半島では、黒潮が比較的低い緯度で東に進むようになり、一時期離岸が拡大すると予測しています(図2, B)。
図4は、2022年5月10日から7月19日までの予測をアニメーションにしたものです。
図4: 2022年5月10日から7月19日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。