2022年9月1日までの黒潮「長期」予測(2022年6月29日発表)

黒潮大蛇行が始まって約4年11か月目に入っており、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測していますが、以前より安定してきていると予測しています。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは9月1日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2022年6月23日の状態の推測値、図2・3は8月1日・9月1日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年11か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

大蛇行から渦(C’)が大きくちぎれると予測されています(図2,3)。短期予測モデルでも渦のちぎれを予測しています。しかしながら、先週までの予測よりもちぎれる渦は小さくなり、黒潮大蛇行はそのまま継続する予測に変わっています。以前の予測よりも大蛇行は安定しているようです(予測検証記事も参照)。

房総半島(B)では離岸する期間が多そうです。九州南東(C)では小蛇行が発達するという予測です。

図4は、2022年6月23日から9月1日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2022年6月23日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし8月1日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし9月1日の予測値。

 


図4: 2022年6月23日から9月1日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。