2022年9月13日までの黒潮「長期」予測(2022年7月13日発表)

黒潮大蛇行が始まって約4年12か月目に入っており、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測していますが、黒潮大蛇行が終わるようなことはなさそうです。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは9月13日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2022年7月5日の状態の推測値、図2・3は8月13日・9月13日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年12か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

大蛇行から渦がちぎれると予測されています(図2,3)。2回(C’C”)にわたって渦がちぎれる可能性がありますが、いずれも黒潮大蛇行を大きく減衰させるものではないと予測しています。ただ短期予測モデルでは大きめの渦を予測しており、まだ不確実さがあります。

房総半島(B)では離岸する期間が多そうです。九州南東(C)では小蛇行が発達するという予測です。

図4は、2022年7月5日から9月13日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2022年7月5日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし8月13日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし9月13日の予測値。

 


図4: 2022年7月5日から9月13日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。