2022年7月30日までの黒潮「短期」予測 (2022年7月13日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは7月30日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2022年7月10日・7月20日・7月30日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。南端から渦が大きくちぎれると予測されています。長期予測では渦のちぎれは小さいと予測しており、不確実さがあります。

蛇行の後の北上する流れ(B)は、大蛇行から渦がちぎれた後、東に移動するという予測です。大蛇行からの渦のちぎれがどうなるかによって今後予測が変化する可能性があります。

四国・足摺岬では離岸(C)が続くと予測しています。一部暖水が近づくという予測になっています。

全体的に夏に向けて水温が上昇していきます。

図4は7月10日午前9時から7月30日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2022年7月10日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし7月20日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし7月30日午前9時の予測値。

 


図4: 2022年7月10日午前9時から7月30日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。




JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。