高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 来年1月15日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2022年12月26日・来年1月5日・1月15日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
蛇行の後に黒潮が北上する流路は比較的S字カーブは小さい状態が続きそうです。関東から東海沿岸ではやや南に離岸し、特に房総半島での離岸が大きくなると予測しています(図3 C)。
四国・足摺岬に黒潮が近づく予測です(図1~3 D)。
四国・室戸岬沖(E)では流れが時計回り(図1)、反時計回り(図2)、時計回り(図3)と変化すると予測しています。
図4は12月26日午前9時から来年1月15日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2022年12月26日午前9時から2023年1月15日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 黒潮大蛇行の継続
この欄ではJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトから画像を紹介していますが、人工衛星「ひまわり」が8号から9号に切り替わった後「ひまわり」の画像が遅れているようなので(予測モデルの結果は見ることができます)、今週は「JAXAひまわりモニタ」本体から画像を紹介します。
図5は「ひまわり」で観測された12月27日の1日平均海面水温です。ある時間に雲がかかっていても、1日で見ると雲のない時間もあるので、この図のように広い範囲で観測画像が見られることがしばしばあります。
図5を見ると紀伊半島を中心に比較的水温の低い水が南まで大きく広がっており、黒潮が大蛇行していることがわかります。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で約5年5か月続いています。