2023年8月31日までの黒潮「長期」予測(2023年6月29日発表)

黒潮大蛇行が始まって約5年目11か月になり、過去最長期間になっています。黒潮の流路は変動しても、黒潮大蛇行は続くと予測しています。予測通りであれば黒潮大蛇行期間が6年を超えることになります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは8月31日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2023年6月22日の状態の推測値、図2・3は7月31日・8月31日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C) 。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が約5年11か月になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。

黒潮の流路の変化は大きいですが、黒潮大蛇行は続く予測です。予測通り続けば期間が6年を超えることになります。大蛇行から小規模な渦がちぎれる可能性がありますが(A’, 図3) 、大蛇行に大きな影響はなさそうです。

八丈島()の北を通過する黒潮流路(B)が続く予測です(図1~3) 。AからBへのS字カーブは緩和される予測です。

四国・足摺岬に(C)に接岸する予測になっています(図3) 。九州南東では黒潮が離れる流路になると予測しています(図2~3) 。

図4は、2023年6月22日から8月31日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2023年6月22日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年月7月31日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年8月31日の予測値。

 


図4: 2023年6月22日から8月31日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。