2023年8月7日までの黒潮「短期」予測 (2023年7月19日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 8月7日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年7月18日・7月28日・8月7日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。大蛇行した黒潮は北上した後(B)、一部が南下し八丈島()に向かう流れになっています(C, 図1。図5も参照)。次第に南下は弱まると予測しています(図3) 。

四国(D)にはまず足摺岬に(図2) 、その後に室戸岬に近づく予測になっています(図3) 。

真夏に向けて全体的に水温が上昇していきます。

図4は7月18日午前9時から8月7日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年7月18日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年7月28日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年8月7日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年7月18日午前9時から8月7日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。


今週のハイライト: 八丈島に向かう黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は7月17日の人工衛星「ひまわり」観測による海面水温とモデルによる流れの推定値です。黒潮の一部が八丈島向けて南下しており、水温が高くなっています。その北では水温が下がっています。

Fig5

図5:7月17日午前8時の人工衛星「ひまわり」による観測海面水温(色)とモデルによる流れの推定値(矢印)(①で指定)。色の幅は23から31℃に設定した(②で指定)。