高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 8月21日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年8月1日・8月11日・8月21日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。A、B、Cと流れるS字カーブの蛇行は強化されると予測しています。
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づく予測になっています(図2~3) 。
台風により沖縄周辺の海水が冷却され、それが九州南に流れてくる可能性があります(図2、図5,6も参照)。
図4は8月1日午前9時から8月21日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2023年8月1日午前9時から8月21日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 沖縄周辺での台風の影響
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は7月26日のモデルによる海面水温と流れの推定値です。
現在、台風6号が沖縄を通過中です。雲で隠れているため、人工衛星では海水温を見ることはできませんが、モデルでは見ることができます。台風が通過したところでは海面水温が低下しており、台風が通過中の所では流れが速くなっています。
図6は8月1日午前9時から8月21日午前9時までの沖縄周辺の海面水温と流れの予測のアニメーションです。雲のために観測値が少なく、結果がこれからの台風進行の予測によるため、予測が今後大きく変化する可能性があります。
図6: 2023年8月1日午前9時から8月21日午前9時までの沖縄周辺の1時間毎の予測のアニメーション。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。黒潮親潮ウォッチでは沖縄周辺の海洋予測は紹介はしていませんが、YouTubeでは毎週アニメーションを更新しています。