現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。黒潮は八丈島の南から伊豆諸島沖をS字型に北上しています。 今後、S字型の流路は解消され、安定した離岸流路が継続するでしょう。四国・室戸岬から紀伊半島・潮岬付近にある小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、黒潮が順次接岸するでしょう。8月末以降、別の小蛇行が九州東岸に発達する可能性があります。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した8月15日と8月21日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路であり、八丈島の南から伊豆諸島沖をS字型に北上しています(図1,2, 先週号解説参照)。
先週に紀伊半島・潮岬に差しかかっていた小蛇行(小蛇行2 ※1)(図1)は、下流に移動し潮岬沖を通過中で、潮岬沖で黒潮を大きく離岸させています(図2)。小蛇行2の下流への移動にともない、四国・足摺岬では黒潮が岸に近づいています。
※1 現在の離岸流路を引き起こした小蛇行1は、既に黒潮の離岸流路と区別できなくなって見えませんが、先週号からの継続のため、小蛇行の番号はそのままにします。
予測
図3と図4は9月1日と10月22日の予測です。
現在伊豆諸島付近を北上するS字型の黒潮からちぎれる形で、暖水渦が東海沖を西に進む可能性があります(図3)。S字型の流路は解消され、安定した離岸流路が継続するでしょう(図3,図4)。
小蛇行2も下流に移動し、通過後は黒潮が順次接岸するでしょう(図3)。沿岸では急潮が発生しやすくなります。また、8月末から新しい小蛇行(小蛇行3)が発生し(図3)、その後発達する可能性があります(図4)。
図5は8月15日から10月22日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 8月15日から10月22日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。