高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 12月4日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年11月14日・11月24日・12月4日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
A、B、Cと流れるS字カーブは今後強まる(図2~図3)予測です 。少し先なので確実性は低いですが、黒潮が八丈島(●)の南を通過する可能性があります(図3) 。東海から関東にかけては黒潮が岸近くを流れています(図5も参照)。
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬からやや離れた後(図1~2) 、再び足摺岬に近づく(図3)予測です。
冬に向けて全体的に次第に水温は下がってきます(図1~3) 。
図4は11月14日午前9時から12月4日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2023年11月14日午前9時から12月4日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 駿河湾付近の黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は11月14日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。
黒潮は東海から関東にかけて沿岸に近いところを流れて、高い水温が近づいています。黒潮の北縁で伊豆大島に流れがぶつかり、反時計回りに駿河湾に黒潮が流れ込んでいる様子が見られます。駿河湾の予測は駿河湾ウォッチでも公開しています。