2024年1月22日までの黒潮「短期」予測 (2024年1月3日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは1月22日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した1月2日・1月12日・1月22日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮がより近づく予測です(図2 B, C) 。Bから暖水が西に分岐しています(図1) 。今後、西向きに強くなり(図2) 、再び弱まりそうです。

四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づいています(図1) 。それがしばらく続きます(図2) 。その後、室戸岬に近づく予測です(図3)。

図4は1月2日午前9時から来年1月22日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2024年1月2日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2024年1月12日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年1月22日午前9時の予測値。

 


図4: 2024年1月2日午前9時から1月22日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 宮崎東方の冷水渦

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は1月2日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。

ひまわり画像から冷水渦が宮崎東方(aの文字の西)にあることがうかがえます。一方、モデルでは冷水渦(反時計回り渦)がbを中心に存在すると推定しており、モデルと観測とではずれがあるようです。

Fig5

図5:1月2日午後7時の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)とモデルによる流れの推定値(矢印)(①で指定)。色の幅は15から25℃に設定した(②で指定)。