高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは2月11日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した1月22日・2月1日・2月11日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮が近づいています(図1~2 B, C) 。Bから暖水が西に分岐しています(図1, 図5も参照) 。今後 、弱まりそうです(図2~3) 。伊豆半島や房総半島からはやや離れるかもしれません(図3)
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づいています(図1) 。九州南東には小蛇行があります(図5も参照) 。小蛇行の下流への動きとともに、黒潮が近づく位置は東へと移動していくという予測です(図1~3) 。そのために黒潮大蛇行の形がいびつになる予測になっています。
図4は1月22日午前9時から2月11日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年1月22日午前9時から2月11日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 九州南東の小蛇行
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は1月22日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。
九州の南東で黒潮は岸から離れ、蛇行しています(小蛇行)。そのために九州の南東と黒潮の間には比較的冷たい水温が広がっています。