高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは4月2日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した3月13日・3月23日・4月2日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮がやや離れています(図1 B, C。図5・6も参照) 。Bから暖水が西に分岐しています(図1) 。今後 、いったん弱まった後(図2) 、強まりそうです(図3) 。
九州の東にあった小蛇行が東に移動したことで、黒潮が四国から大きく離れています(D)。一部の暖水が四国の近傍に残されています(D’) 。小蛇行の動きを受けて、黒潮蛇行はいびつな形になっています(図1, A) 。図2から3のように蛇行の南端から小規模に渦がちぎれる可能性もあります。小蛇行が東に移動した後は、黒潮が足摺岬に近づくと予測されています(図3, E) 。
図4は3月13日午前9時から4月2日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年3月13日午前9時から4月2日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 房総半島付近の黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5、6は3月10日と3月14日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推測値です。
3月10日に比べて、3月14日には黒潮による暖水が房総半島から離れている様子が見られます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。