2024年5月17日までの黒潮「長期」予測(2024年3月15日発表)

黒潮大蛇行が始まって約6年8か月目となり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行は続きそうですが、不安定である可能性もあります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは5月17日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2024年3月8日の状態の推測値、図2・3は2024年4月17日・5月17日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年8か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。黒潮大蛇行は当面続きます。九州東にあった小蛇行が下流に移動したため(図1, C) 、九州から黒潮が大きく離れています。

流れが不安定になりそうですが(図4参照)、小蛇行は大蛇行に吸収され、その後落ち着く予測になっています(図2, 3) 。

一時的に八丈島()の南を黒潮が流れる流路になる可能性がありますが、八丈島の北を流れる流路に戻ると予測しています(図2~3, B)

小蛇行(C)が東に抜けた後に、黒潮が足摺岬に近づきそうです(図2~3, D) 。

図4は、2024年3月8日から5月17日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2024年3月8日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2024年4月17日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年5月17日の予測値。

 


図4: 2024年3月8日から2024年5月17日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。