高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは5月28日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した5月8日・5月18日・5月28日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(D)が続いています(図1, 長期予測も参照)。
大蛇行がいびつな流路になっていましたが、Aの部分が渦としてちぎれ、黒潮大蛇行らしい流路になっていくと予測されています(図2~3) 。現在は黒潮は沿岸からやや遠いところを流れていましたが、黒潮が東海・関東沿岸や四国に近づく予測です(B, C, E, F、図1~3, 図5,6も参照) 。
夏に向けて全体的に水温が上がっていきます。
図4は5月8日午前9時から5月28日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2024年5月8日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2024年5月8日午前9時から5月28日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 四国に近づく黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5,6は4月30日,5月8日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる海面流速推定値です。
4月30日では黒潮本体は四国から遠く黒潮から分岐した暖水が四国に近づく形でしたが(図5) 、5月8日には黒潮本体が四国に近づいています(図6)。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。