2024年8月21日までの黒潮「長期」予測(2024年6月19日発表)

黒潮大蛇行が始まって約6年11か月目となり、過去最長期間になっています。予測通り黒潮大蛇行が続けば、期間が7年を越えることになります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは8月21日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2024年6月12日の状態の推測値、図2・3は2024年7月21日、8月21日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年11か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。黒潮大蛇行は続く予測です。予測通り黒潮大蛇行が続けば、期間が7年を越えることになります。

東西幅の狭い大蛇行になるという予測になっています(図2~3) 。東西幅が狭くなるというのは黒潮が弱いことを反映していると考えられ、黒潮が冷水渦を東に押し流して黒潮大蛇行が終わることが難しいことが予想されます。

八丈島()の北を流れる流路が続くと予測しています(図1~3, B)

黒潮が四国・足摺岬に近づいた状態が続き(図1~2 C)、その後に室戸岬に近づくと予測されています(図3)。

図4は、2024年6月12日から8月21日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2024年6月12日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2024年7月21日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年8月21日の予測値。

 


図4: 2024年6月12日から2024年8月21日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。