2024年7月1日までの黒潮「短期」予測 (2024年6月13日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは7月1日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した6月11日・6月21日・7月1日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

A→B→Cという大蛇行からの北上流のS字カーブが大きくなると予測しています(図1~3) 。東海から関東にかけて黒潮が沿岸に近づき(B-C) 、四国・足摺岬でも黒潮が近くを流れそうです(E) (図1~3) (図5,6も参照)。室戸岬付近には黒潮から分岐した暖水が近づき(図1)、室戸岬と潮岬の間は時計回りの循環になっているようです。

夏に向けて全体的に水温が上がっていきます。

図4は6月11日午前9時から7月1日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2024年6月11日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2024年6月21日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年7月1日午前9時の予測値。


図4: 2024年6月11日午前9時から7月1日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 東海付近の黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5と6は東海付近の6月5日と6月12日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値です。

温度の高いところから、黒潮の流れているところを推定できます(図に矢印で記入)。6月5日に比べて6月12日は黒潮の流れが北上し、静岡県にぶつかるように流れるようになっています。

Fig5

図5:6月5日13時の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)。色の幅は18から29℃に設定した(②で指定)。黒潮の推定位置を矢印で記入した。

 

Fig5

図6:図5に同じ。6月12日13時。

 

 



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。