2025年2月3日までの黒潮「短期」予測 (2025年1月16日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは2月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した1月15日・1月24日・2月3日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

ABCと流れる黒潮は、S字カーブが大きくなっています(図1, 図5も参照)。その後、Bの部分は暖水渦としてちぎれると予測しています(図2~3)。

黒潮本流から暖水が伸びて、今後、黒潮が足摺岬から室戸岬に近づくと予測されています(図2~3, E)。

図4は1月14日午前9時から2月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2025年1月15日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年1月24日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年2月3日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年1月14日午前9時から2月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 東海沖のS字カーブ

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は1月14日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温とモデルによる流れの推測値です。

水温と流れから、黒潮はAからBに北上した後、Bの地点で急にカーブし時計回りをしながら東海沿岸に近づき、その後は東に流れています。この時計回りの急カーブは、暖水渦としてちぎれると予測されています。

Fig5

図5:2025年1月14日一日平均の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色)とモデルによる海流の推測値(①で指定)。色の範囲を12~23℃にした(②で指定)。

 



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。