高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは3月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2月11日・2月21日・3月3日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。蛇行の根本のBとDの部分が近づいて、くびれた形をしています(図5も参照)。
BとDがくっついて、黒潮がショートカットするか微妙なところで、予測が難しくなっています(図2~3)。予測通りであれば、紀伊半島・潮岬(B)や四国・足摺岬(D)に黒潮が近づく可能性があります。
図4は2月11日午前9時から23月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2025年2月11日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2025年2月11日午前9時から3月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: くびれた黒潮流路
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は2月11日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温です。
黒潮大蛇行の南端BとDのの部分が近づき、水温がくびれた形の大蛇行になっています。今後、BとDがくっつき、Aの部分が冷水渦としてちぎれるかどうか、気になるところです。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。