new2025年7月19日までの黒潮「長期」予測(2025年5月15日発表)

渦がちぎれて蛇行が小さくなっています。蛇行は再発達する予測です。ただ長期には保たれないかもしれません。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは7月19日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2025年5月10日の状態の推測値、図2・3は6月19日、7月19日の予測です。

気象庁が5月9日に、7年9か月続いた黒潮大蛇行が終息する兆しと発表しました。

大蛇行から渦がちぎれて(A’’) 、黒潮大蛇行の蛇行が大幅に小さくなっており(図1)、大蛇行と呼べるほど蛇行は大きくありません。しかし黒潮はまだ紀伊半島の潮岬から離れており、完全に終わった形とまでは言えません。黒潮大蛇行の指標となっている串本浦神の潮位差(気象庁)にも大きな変化は見られません(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。

今後は蛇行が再発達するかが注目点になります。紀伊半島の南にある小さな蛇行(A)が東に進みながら大きくなる予測になっています(図2~3)。しかし、八丈島()を通り越すような形になっており(図3)、このまま東進して、大蛇行としては保たれないかもしれません。

予測期間内ではちぎれた渦(A’)が黒潮に再びくっつくことはないですが、この後に関しては不明です。

八丈島()の北を流れる流路から(図1~2)、南を流れる流路に変わる予測です(図1~3)(B)。

黒潮が四国と離れた状態から(図1, C)、近づく予測になっています(図2~3)。

図4は、2025年5月10日から7月19日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2025年5月10日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2025年6月19日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年7月19日の予測値。

 


図4: 2025年5月10日から2025年7月14日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。