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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは8月19日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した7月29日・8月9日・8月29日の黒潮の状態です。
伊豆諸島付近で蛇行が発達しているのと同時に(図1A)、黒潮からちぎれていた渦が九州される形で九州東にも蛇行ができています(図1 A”)。
伊豆諸島付近の蛇行(A)は蛇行こそ大きいものの、潮岬で接岸していたり(図5も参照)、八丈島(●)の南に黒潮があったりと、いわゆる黒潮大蛇行とは言えない形です(長期予測の記事参照)。この蛇行は次第に縮小すると予測されています(図2~3)。
黒潮から分岐流が生じて東海沿岸や四国沿岸の水温が高くなっています(図5も参照)。
長期予測ではA”の蛇行が東に移動すると予測されていますが、短期予測ではあまり移動しないという違いが出ています。
夏に向かって、全体的に水温の高い状態が続きます。台風の影響など天候しだいで急激に水温が下がる場合もあります(図4参照)。
図4は7月29日午前9時から8月19日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。



図4: 2025年7月29日午前9時から8月19日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト:沿岸への分岐流
図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された7月29日の海面水温とです。
現在黒潮には、伊豆諸島付近と、九州・四国付近の2つの蛇行があります。伊豆諸島付近の蛇行の真ん中にある八丈島付近では水温が下がっています。
黒潮の本流は四国や東海から離れていますが、分岐流が生じて暖水が流れ込み、沿岸では水温が高くなっています。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。