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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは10月15日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した9月25日・10月5日・10月15日の黒潮の状態です。
気象庁と海上保安庁は今回の黒潮大蛇行が2025年4月に終息したとの判断を発表しています(2025/8/29発表)。しかし黒潮大蛇行の余波は続いています(「2025年の黒潮のこれまでをふりかえる」参照)。房総付近で蛇行があるのと同時に(図1A)、黒潮からちぎれていた渦が吸収される形で東海沖にも蛇行があります(図1 A”)。
黒潮は八丈島をはさむようにして流れています(図1, B。図5も参照。)。蛇行A”の東進の影響を受けて、北に暖水渦が存在しています(図1 E)。四国から紀伊半島にかけて黒潮が近づいています(D)。
房総半島付近の蛇行(A)は東に消えていくと予測されています(図2~3)。
A”の蛇行がやや発達しながら東に移動すると予測されています(図2~3)。暖水渦Eは縮小していく予測です。
黒潮は四国から紀伊半島に近づき(D)、九州東からは離れると予測されています(F)(図2~3)。
秋に向けて水温が下がっていきます(図1~3)。
図4は9月25日午前9時から10月15日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。



図4: 2025年9月25日午前9時から10月25日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 八丈島付近の黒潮
図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された9月24日の水温とモデルによる流れの推測値です。
黒潮は八丈島をはさむようにして流れています。今後、八丈島の北を流れるようになると黒潮大蛇行的な流れ、南を流れるようになると非大蛇行的な流れになります。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。