現在、黒潮が八丈島に接近していますが、引き続き八丈島の南を流れる離岸流路です。和歌山・潮岬で黒潮が接岸しています。 黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続するでしょう。九州東岸から和歌山・潮岬、房総半島では小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した10月24日と10月30日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が続いています。先週号で解説したとおり、接岸傾向g(※1)の伊豆諸島への接近とともに、黒潮が八丈島に接近しています(図1,2, 今週号検証も参照)。
四国・足摺岬から和歌山・潮岬にかけては、室戸岬に黒潮の接岸の中心がありましたが(図1, 接岸傾向i)、接岸・離岸傾向の下流への移動とともに、和歌山潮岬が接岸の中心になっています(図2, 接岸傾向i)。
黒潮は、房総半島で離岸中ですが(図1,離岸傾向d)、やや接岸に戻ってます(図2, 接岸傾向e)。
※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットb,c,d,,,で図示しています。赤字c,e,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通(前号とも共通)で、同じアルファベット、例えば接岸傾向iが、上流から下流に移動していることをしめしています。
予測
図3と図4は11月7日と12月31日の予測です。
接岸傾向gの伊豆諸島への接近により、黒潮は八丈島に近づきますが(図3)、八丈島の南を流れる離岸流路はその後も継続するでしょう(図4)。
九州東岸から和歌山・潮岬、房総半島では、一連の接岸・離岸傾向の移動により、小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです(図3,4)。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。
図5は10月24日から12月31日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 10月24日から12月31日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。