| 冷水渦も存在しているものの、黒潮続流からの暖水渦の影響が大きいため親潮が南下しにくく、水温がかなり高くなると予測しています。 |
見通し(長期予測)
海洋予測モデルJCOPE3Mで、約2か月先までの予測を行っています。
図1左はJCOPE3Mによる水深10メートルでの、8月23日の水温(色、℃)と流れ(矢印)です。右が同じ日の平年の値です[1]。
暖水(高気圧性、高水圧、時計回り)渦をH、冷水(低気圧性、低水圧、反時計回り)渦をLとして図で表示しています。
黒潮続流(A)が平年よりも高い緯度にあるのに加えて、黒潮続流から派生した暖水渦により水温が平年より高くなっています。
黒潮続流の北には冷水渦(B)もあるものの、暖水渦の方が多く、平年よりもかなり水温が高くなっています。
気象庁の親潮の面積の時系列を見ると、親潮の勢力は2024年や2025年並みで、平年よりかなり小さくなっています。
予測(図2~3)では、黒潮続流からちぎれて発生しそうな暖水渦が特に大きく、水温への影響が注目されます。
冷水渦Cが残る北海道南沖では比較的水温が低く保たれるかもしれません。
図4は2026年8月23日から10月24日までの予測をアニメーションにしたものです。



図4: 図1に対応する2026年8月23日から2026年10月24日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
短期予測
長期予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T DA, 約3km)による20日予測のアニメーションを、YouTubeに1週間に一度の間隔で掲載しています。親潮ウォッチの更新は月に一回ですが、一週間に一度の予測のアニメーションも参考にしてください。
今月のハイライト: 暖水渦と冷水渦
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (解説は「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」) 。このサイトでは上の予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T 1ks 約1kmやJCOPE-T DA 約3km)の様々な図を見ることができます。モデルの結果と人工衛星「ひまわり」の図を重ねることもできます。
図5は、8月28日の「ひまわり」観測の海面水温です。
黒潮続流の北では図1の暖水渦の影響下にあるところには、円形の水温の高い領域が見られます。
襟裳岬の南では冷水渦の影響を受けて比較的親潮が南下しやすく、周囲より水温が低くなっています。

- [1]JCOPE3Mは平年のデータが無いため、JCOPE2Mの1993年から2020年の平均で平年の値を計算しています。↩
黒潮親潮ウォッチでは、親潮の現状について月に一回程度お知らせします。親潮に関する解説一覧はこちらです。 JCOPE-T-DAによる短期予測はJAXAのサイトで見ることができます。 4日毎に更新されるJCOPE2Mによる親潮の長期解析・予測図はJCOPE のweb pageで見られます。親潮関係の図の見方は2017年1月18日号と2017年2月1日号で解説しています。
冷水渦もあるが暖水渦が優勢(親潮ウォッチ2026/8)