現在、黒潮が八丈島に接近しています。房総半島に黒潮が近づいています。 黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続・発達すると予測しています。九州東岸から和歌山・潮岬にかけての接岸と離岸の変動は弱まりそうです。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した10月31日と11月6日の黒潮の状態です。接岸傾向g(※1)の伊豆諸島への接近とともに、黒潮が八丈島に接近しています(図1,2)。黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が続いていますが、10月23号解説で気になる点として可能性を指摘したように、以前の予測よりも接岸傾向gの発達が大きく、黒潮の位置が本州に近づいています。
黒潮は、房総半島で離岸してましたが(図1,離岸傾向d)、岸に近づいてきています(図2, 接岸傾向e)。
四国・足摺岬から和歌山・潮岬にかけては、接岸・離岸傾向の波が小さくなってきています。先週、潮岬付近にあった接岸傾向i(図1)が、11月6日には存在を確認できなくなっています。
※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットb,c,d,,,で図示しています。赤字e,g,が接岸傾向で、青字d,f,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通(前号とも共通)で、同じアルファベット、例えば接岸傾向gが、上流から下流に移動していることをしめしています。
予測
図3と図4は11月23日と来年1月7日の予測です。
接岸傾向gが通過したあと、離岸傾向hの接近と発達により、黒潮は、離岸流路が再び発達し、八丈島の南を大きく離岸して流れるようになると予測しています(図3,4)。
四国・足摺岬から和歌山・潮岬にかけては、離岸・接岸傾向の波が小さくなってきており、変動が小さめになりそうです(図3,4)。
図5は10月31日から来年1月7日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 10月31日から2016年1月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。