new2027年1月2日までの黒潮「長期」予測(2026年11月5日発表)

黒潮が八丈島の北を通る接岸流路が続くと予測しています。九州東で小蛇行が発達する可能性があり、今後が注目されます。
    • JCOPE-T 1ksによる短期予測(8日先)
    • JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)

を行っています。

ここでは2027年1月2日までのJCOPE3Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮の蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2026年11月1日の現況の推定、図2・3は12月2日、2027年1月2日の予測です。

黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路です(A 図1, 図6も参照)。

黒潮は、接岸流路が続くと予測しています(A 図2~3) 。日本南方にある暖水渦(B)の勢力が強く、蛇行しにくい状況です。

九州東で小蛇行(C)が発達する予測です(図1~3)。今後、黒潮の流路が変化するきっかけになる可能性があります。

図4は、2026年11月1日から2027年1月2日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1
図1: 2026年11月1日の推定。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸(●)が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いという、おおまかな関係があります。Hは暖水(高気圧性、高水圧、時計回り)渦、Lは冷水(低気圧性、低水圧、反時計回り)渦。

 

Fig2
図2: 図1に同じ。ただし2026年12月2日の予測。

 

図3: 図1に同じ。ただし2027年1月2日の予測。

 


図4: 2026年11月1日から2027年1月2日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

観測で見る黒潮流路

黒潮大蛇行の特徴の一つは、黒潮が潮岬から離れていることです。黒潮が潮岬から離れているかを観測で見る良い方法として、串本と浦神の潮位差を見るという方法が知られています(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。黒潮が紀伊半島に近づくと潮位差は大きくなり、黒潮が紀伊半島から離れると潮位差は小さくなります。現在、潮位差が比較的大きいことは、黒潮が接岸していることを示唆しています。予測通りであれば、このまま高い値が続きます。

八丈島の南を黒潮が通ると、八丈島の潮位が下がることが知られています(「黒潮が八丈島の南を流れているのをどうやって観測で確認するの?」参照)。直近では、値が上昇した後、高い値でとどまっており、黒潮が八丈島の北を流れていることがわかります。予測が正しければ、高い値が続く見込みです。

図5: [上]串本・浦神の潮位差(日平均)の2016年1月1日以降の時系列。データは気象庁から入手した。 [下] 2025年以降を拡大。横赤線は黒潮大蛇行の期間。
Fig5
図6: 東京大学大気海洋研究所「潮位データを用いた黒潮モニタリング」の「各潮位データの図示」から、「期間: 2026年までの 5年間」・「八丈島」でグラフ作成。単位はセンチメートル。横赤線は黒潮大蛇行の期間。

参考: アンサンブル予測

今週のアンサンブル予測の更新はありません。

 



JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。