| 黒潮続流は高緯度まで伸び、津軽暖流や暖水渦の影響も大きいです。これらの暖水の隙間をぬって親潮が南下しています。黒潮続流や暖水渦が大きく動いて、親潮の分布も変わると予測しています。 |
見通し(長期予測)
海洋予測モデルJCOPE3Mで、約2か月先までの予測を行っています。
図1左はJCOPE3Mによる水深10メートルでの、11月1日の水温(色、℃)と流れ(矢印)です。右が同じ日の平年の値です[1]。
暖水(高気圧性、高水圧、時計回り)渦をH、冷水(低気圧性、低水圧、反時計回り)渦をLとして図で表示しています。
黒潮続流(A)が平年よりもかなり高い緯度にあることに加えて、津軽暖流から出てきた暖水(B)、黒潮続流から派生した暖水渦(C)により水温が平年より高くなっています。
その一方で、BとCの隙間をぬって親潮の冷水が南下しています(図5も参照)。それでも気象庁の親潮の面積の時系列を見ると、親潮の勢力は平年よりかなり小さくなっています。
予測(図2~3)では、BとCがくっついて、沿岸寄りに親潮が南下しにくくなりそうです。親潮が南下するのはその東側になりそうです。親潮自体は強く、北海道の東では例年より水温が低くなると予測しています。黒潮続流は変動が大きいです。
図4は2026年1月2日から2027年1月2日までの予測をアニメーションにしたものです。



図4: 図1に対応する2026年11月1日から2027年1月2日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
短期予測
長期予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T DA, 約3km)による20日予測のアニメーションを、YouTubeに1週間に一度の間隔で掲載しています。親潮ウォッチの更新は月に一回ですが、一週間に一度の予測のアニメーションも参考にしてください。(ただし、今週は短期予測の計算が一時的に止まっています)
今月のハイライト: 隙間をぬって南下する親潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (解説は「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」) 。このサイトでは上の予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T 1ks 約1kmやJCOPE-T DA 約3km)の様々な図を見ることができます。モデルの結果と人工衛星「ひまわり」の図を重ねることもできます。
高い緯度まで伸びる黒潮続流(A)、津軽暖流からの暖水(B)、暖水渦(C)と、東北沖は水温を高くする要素が大きいですが、その隙間をぬって親潮の冷水が南に伸びています(D)。

- [1]JCOPE3Mは平年のデータが無いため、JCOPE2Mの1993年から2020年の平均で平年の値を計算しています。↩
黒潮親潮ウォッチでは、親潮の現状について月に一回程度お知らせします。親潮に関する解説一覧はこちらです。 JCOPE-T-DAによる短期予測はJAXAのサイトで見ることができます。 4日毎に更新されるJCOPE2Mによる親潮の長期解析・予測図はJCOPE のweb pageで見られます。親潮関係の図の見方は2017年1月18日号と2017年2月1日号で解説しています。
隙間をぬって南下する親潮(親潮ウォッチ2026/10)