7月2日から9月8日の予測(7月8日発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。黒潮が潮岬で接岸しています。房総半島で黒潮が大きく離れています。
黒潮流路は、7月中旬から八丈島の北を流れる接岸流路的な状態に一時的になりますが、8月には再び離岸流路になると予測しています。沿岸では、離岸と接岸がしだいに大規模なものになりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した7月2日と7月8日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の南を流れ、離岸流路が続いています(図1,2)。

房総半島では、黒潮が大きく離れている中(図1, 離岸傾向l, ※1)、接岸傾向mで暖水がやや西に入り込んでいます(図2)。

黒潮は、四国・足摺岬で離岸(離岸傾向v)、室戸岬で接岸(接岸傾向u)でしたが(図1)、離岸・接岸の中心は下流に移動しています。潮岬付近では離岸(図1, 離岸傾向t)から接岸(図2, 接岸傾向u)に変化しています。九州南で離岸しています(図1,2, 離岸傾向x)。

東海沖では、暖水渦に巻き込まれる形で、黒潮の水が沿岸に入り込んでいます(図1,2)。

Fig1

図1: 7月2日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 7月8日の予測値。

 

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットl,m,,で図示しています。赤字m,s,,が接岸傾向で、青字l,p,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向sが、上流から下流に移動していることをしめしています。

 

予測

図3と図4は7月18日と9月8日の予測です。

黒潮流路は、接岸傾向sをきっかけに、八丈島の北を流れる接岸流路的な状況になると予測しています(図3)。しかし、これは一時的で、続く離岸傾向tをきっかけに、8,9月に再び離岸流路に戻るだろうと予測しています(図4)。離岸の程度は前号の予測より小さくなっています。

九州東岸から潮岬にかけては、離岸と接岸の規模はしだいに大きくなってきそうです(図3,4)。特に九州東岸では離岸傾向が大きく発達(小蛇行)すると予測しており、注目されます。

図5は7月2日から9月8日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 7月18日の予測値。

図4: 9月8日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 7月2日から9月8日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



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