8月20日から10月27日の予測(8月26日発表)

現在、黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路です。黒潮が足摺岬・室戸岬で接岸しています。房総半島から黒潮が近づいています。黒潮流路は、しばらく接岸流路が続くでしょう。九州東に小蛇行が発生するかもしれません。

 

図1と図2はJCOPE2で計算した8月20日と8月26日の黒潮の状態です。黒潮は、八丈島の北を流れる接岸流路になっています(黒潮流路の分類については、2015/02/06号「黒潮の位置はどのように変化するの?」参照)。

黒潮は、四国・足摺岬、室戸岬でほぼ接岸しています(図1,2、接岸傾向y ※1)。紀伊半島・潮岬で接岸しています(図1,2, 離岸傾向x通過後接岸傾向y)。九州南東で離岸しています(図1,2)。

房総半島沖は、黒潮が離岸していましたが(図1、離岸傾向t)、接岸傾向uために岸に近づいています(図2)。

Fig1

図1: 8月20日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 8月26日の予測値。

 

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットt,u,,で図示しています。赤字u,w,,が接岸傾向で、青字t,βが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば離岸傾向tが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。

 

予測

図3と図4は9月7日と10月26日の予測です。

図2から図3にかけて離岸傾向β接岸傾向wがはっきりしなくなるなど、黒潮の変動は落ち着いてきそうです。黒潮流路は、八丈島の北を流れる接岸流路が当分続きそうです(図3)。東海沿岸では東から西に暖水が入りやすくなります。離岸傾向の接近にともない、黒潮が八丈島に近づく時期があります(図4)。

難しい予測ですが(今週の検証参照)、九州東岸では離岸傾向が次第に大きくなり(図3)、小蛇行に発達すると予測しており(図4)、注目しています。

図5は8月20日から10月27日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 9月7 日の予測値。

図4: 10月27日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 8月20日から10月27日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。