2017年3月16日から5月18日の予測(3月22日発表)

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。四国・足摺岬で接岸、室戸岬でやや離岸、紀伊半島・潮岬で接岸しています。房総半島には一部東から暖水が波及していますが、基調として大きな離岸になっています。黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が続きそうです。九州東には小蛇行が発達すると予測しています。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2M週2回の予測を行っています。ここでは2017年3月16日から5月18日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した3月16日と3月22日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です(図2、離岸傾向n[1])。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬で接岸(接岸傾向s)、室戸岬でやや離岸(離岸傾向r)、潮岬で接岸(接岸傾向q)になっています(図1,2)。

房総半島では、東からまわりこむようにして黒潮からの暖水が一部波及していますが(接岸傾向α)、基調としては大きく離岸しています(離岸傾向β、図1,2)。

九州の南東では、黒潮が大きく離岸(小蛇行)しています。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した3月16日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 3月22日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は3月29日・4月5日・5月18日の予測です。

黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が続きそうです(図3,4)。離岸流路はさらに大きく発達する可能性があります(図5)。

房総半島沖では黒潮が大きく離岸する一方、東からまわりこむようにして黒潮からの暖水の波及が続きそうです(図3,4)

九州南から東岸にかけては、これから大きめの離岸(小蛇行)が発達・移動すると予測しています。紀伊半島・潮岬にかけては小蛇行が下流に移動してくると大きな離岸につながる可能性があります(図3,4,5)。今週の解説も参照してください。

図6は、3月16日から5月18日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 3月29日の予測値。

 

Fig4

図4: 4月5日の予測値。

 

Fig5

図5: 5月18日の予測値。接岸・離岸の記号は略。

 


図6: 2017年3月16日から5月18日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。
 

  1. [1]接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字m,o,,が接岸傾向で、青字n,p,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも一部共通ですが、あらためて記号をふりなおしたところもあります)、同じアルファベット、例えば接岸傾向oが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。