黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。四国・足摺岬でやや離岸、室戸岬、紀伊半島・潮岬で接岸しています。房総半島には一部東から暖水が波及していますが、基調として大きな離岸になっています。黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が続きそうです。九州東には小蛇行が発達すると予測しています。 |
JCOPE2の改良版であるJCOPE2Mは週2回の予測を行っています。ここでは2017年3月10日から5月11日の予測を解説します。
現状
図1と図2はJCOPE2Mで計算した3月10日と3月15日の黒潮の状態です。
黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です(図2、離岸傾向n[1])。
四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬でやや離岸(離岸傾向r)、室戸岬と潮岬で接岸(接岸傾向q)になっています(図1,2)。
房総半島では、東からまわりこむようにして黒潮からの暖水が一部波及していますが(接岸傾向α)、基調としては大きく離岸しています(離岸傾向β、図1,2)。
九州の南東では、黒潮が大きく離岸(小蛇行)しています。


予測
図3・図4・図5は3月22日・3月29日・5月11日の予測です。
黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が続きそうです(図3,4)。離岸流路はさらに大きく発達する可能性があります(図5)。
房総半島沖では黒潮が大きく離岸する一方、東からまわりこむようにして黒潮からの暖水の波及が続きそうです(図3,4)
九州南から東岸にかけては、これから大きめの離岸(小蛇行)が発達すると予測しています(図3,4)。紀伊半島・潮岬にかけては小蛇行が下流に移動してくると大きな離岸につながる可能性があります(図4,5)。
図6は、3月10日から5月11日までの予測をアニメーションにしたものです。



図6: 2017年3月10日から5月11日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。