「やや離岸ぎみ」というのを詳しく教えて

2015年4月3日号の図1、2について、もっと詳細にみてみましょう。
下記の図1はJCOPEから推定した3月1日、3月15日、4月1日の黒潮流軸(黒潮がもっとも強い中心)の位置です。3月1日(黒線)に比べて3月15日(青線)には黒潮流軸が九州東岸から遠ざかっています。その後、4月1日(赤線)には離岸位置が下流に移動し、四国・足摺岬に近づいています。これは小規模な小蛇行が発生し、下流に移動しているからだと考えられます。

観測でも確認しておきましょう。図2は人工衛星から推定した4月1日の海面水温です。黒潮によって温度の高い海水は岸からはなれ、九州と黒潮の間には冷たい水が広がっていることがわかります。

予測はどうでしょうか。図3はJCOPEで予測した4月1日(赤線)、4月7日(緑線)、4月14日(紫線)の黒潮流軸の位置です。JCOPEは小蛇行はあまり発達せず、黒潮はこれから再び九州東岸、四国・足摺岬に近づいていくと予測しています。

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図1: 黒潮の流軸の変化。黒線:3月1日、青線:3月15日、赤線:4月1日。海面近く(10m)の黒潮の流速が最大に近い位置の海面高度0.1mの等値線から推定。

 

 

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図2: 人工衛星データから推定した海面水温(ºC)の4月1日の推定値。データはNASAのG1SST。

 

 

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図3: 黒潮の流軸の変化の予測。赤線:4月1日、緑線:4月7日、紫線:4月14日。