- JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
- JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)
を行っています。
ここでは11月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した10月14日・10月24日・11月3日の黒潮の状態です。
気象庁と海上保安庁は、黒潮大蛇行が2025年4月に終息したとの判断を発表しています(2025/8/29発表)。しかし黒潮大蛇行の余波は続いています(「2025年の黒潮のこれまでをふりかえる」参照)。黒潮からちぎれていた渦が吸収される形で、蛇行があります(図1 A”)。
黒潮は八丈島南を流れています(図1, A”。図5も参照)。蛇行A”に関連して、時計回りの暖水の分岐流が存在していましたが、弱まりつつあります(図1 E。図5も参照)。四国から紀伊半島にかけて黒潮が近づいています(D)。八丈島の南に西向きの暖水流入があると見られます(B)。
A”の蛇行が東に移動すると予測されています(図2~3)。
房総半島付近(C)では黒潮が離れる予測になっています(図3)。
黒潮は四国から紀伊半島に近づき(D)ます。九州東からは離れると予測されています(F)(図2~3)が、この予測モデルの癖で過剰に予測している可能性があります。。
冬に向けて水温が下がっていきます(図1~3)。
図4は10月14日午前9時から11月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。



図4: 2025年10月14日午前9時から11月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 台風の跡
図5は10月15日の人工衛星「ひまわり海面」(左)とモデルによる水温海面水温推定値(右)です。
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトでは、人工衛星「ひまわり」9号の障害のために「ひまわり」の図が欠けています。今回の左の図はJAXAひまわりモニタ本体の図です。
水温には台風22号で水温が低下した跡が残っています。黒潮の流れている所の水温は下がりにくいため、水温が高いままです。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。