高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(2週間先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは7月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した6月19日・6月26日・7月3日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
大蛇行の北側では黒潮がS字型に東海地方にぶつかるように北上しています(G)。黒潮のやや岸から離れた位置がE(図1)からF(図2)に移動し、この離岸傾向が通過後は岸に黒潮が近づきます(図3)。
足摺岬(D)ではほぼ接岸(図1)、やや離岸(図2)、接岸(図3)と変化すると予測しています(図3)。室戸岬(C)では離岸が続きますが、暖水舌が近づく時期があるかもしれません(図2)。
九州南東では離岸が大きくなりそうです(H)。
夏にむけて全体的に水温が上昇していきます。(図1~3、天気予測データを計算に使っているので程度は変化する可能性があります。)
図4は6月17日午前9時から7月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は土曜日を除く毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 2019年6月17日午前9時から7月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。