先月から今月にかけての日本水温の状況を見てみます。
図1は、5月17日と6月20日の海面水温の平年との差を見たものです[1]。平年より高い場所が赤っぽい色、低い場所では青っぽい色になっています。図2は、同じく5月17日と6月20日の、水深100mの図です。水深100mでも海面と同じ変化が見られれば、水温の平年との差が天気だけでなく海流の影響を受けている可能性が高くなります。
黒潮が大蛇行しており(黒潮長期予測参照)、黒潮が離岸しているところでは水温が低く(A)、接岸しているとこでは高くなっています(B)。
黒潮続流がかなり北まで流れており、東北沖合の海は黒潮続流による暖水や暖水渦に影響をうけています(D)。一方で親潮からの冷たい水が暖水渦の隙間を通って南まで流れているので沿岸では冷たくなっています(C)(「黒潮の影響がさらに大きくなるか 」親潮ウォッチ2019/6、参照)。
沖縄周辺では高い海面水温が続いていますが(E)、黄海では平年より水温が低くなりました。
日本海(F)では、先月ほど今月は温度が高くありません。温度の高い所では水面下(図2)でも水温が高くなっており、対馬海流が影響していると考えられます[2]。
今後の日本周辺の水温については、姉妹サイトの「季節ウォッチ」も参考にしてください。
- [1]この記事では、今年の値はJCOPE2Mを使っています。平年の値はJCOPE2M再解析の1993~2016年の平均を使っています。↩
- [2]気象庁による対馬暖流の勢力(日本海における深さ 100m の水温が 10℃以上の領域の面積)は平年より高くなっています。↩