高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(2週間先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは9月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した8月21日・8月28日・9月2日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
黒潮が八丈島に近づいており(G)、八丈島をつつむような流れになっています。この後、黒潮は八丈島の北を流れる流路に戻ると予測しています(図2,3)。黒潮流路がやや南に下がった部分(E)で黒潮が本州から離れ気味になっており(図1)、それが東に移動するにつれて、その西側から本州に接岸していくと予測しています(図2,3)。
九州東部(H)、足摺岬(D)と室戸岬(C)では黒潮が離岸しています(図1)。離岸の中心(H)が東に移動するにつれて、室戸岬(C)や潮岬(B)に黒潮が近づく時期があると予測しています。
図4は8月18日午前9時から9月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は土曜日を除く毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 2019年8月18日午前9時から9月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。