現在、黒潮は非大蛇行離岸流路で八丈島の南を流れています。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、四国の室戸岬に近づいています。 非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、7月までに、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があるでしょう。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した6月6日と6月12日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路で、先週は八丈島に近づいていた黒潮の流路(図1)が、再び南に移っています(図2)(今回解説参照)。
九州東では黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、下流に動いており、四国・足摺岬付近を通過し、室戸岬に近づいています。黒潮本体は足摺岬から大きく離岸していますが、九州東から足摺岬にかけて時計回りの渦による循環が残っているという分析になっています。
予測
図3と図4は6月21日と8月13日の予測です。
6月(図3)から7月にかけて黒潮小蛇行が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はなく、小蛇行の通過後に黒潮は接岸します(図4)。黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために(今回解説参照)、東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。
図5は6月6日から8月13日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5:6月6日から8月13日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。