2019年12月29日までの黒潮「短期」予測(12月18日発表)

Author: 2019-12-18

黒潮予測

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは12月29日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した12月18日・12月23日・12月28日の黒潮の状態です(1日平均)。

黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)[2]。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。

室戸岬(C)では大きな離岸が続きます。足摺岬(D)では黒潮の接岸がしばらく続くと予測しています。

黒潮が八丈島の北を東に流れています(G、図1)。黒潮は岸からやや離れていましたが(図1, G,E,F)、次第に近づいており、さらに相模湾や駿河湾で黒潮の影響が大きくなると予測しています(図2,3, G,E)。

図4は12月15日午前9時から12月29日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト
Fig1

図1: 12月18日の予測値(日平均)。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2019年12月23日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2019年12月28日の予測値。

 


図4: 2019年12月15日午前9時から12月29日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

  1. [1]黒潮大蛇行の記事のまとめはこちら。↩
  2. [2]先週の大蛇行の南端から渦がちぎれそうな過剰な変形は修正されました。↩

JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。  

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